禁断のプロポーズ
 


「すみません。
 送っていただいて」

 その部屋の前で、未咲は深々と頭を下げた。

 会長たちにするのよりも、更に深々と。

 やはり、ちょっと酔っているような気がする、と思いながら。

 部屋の扉を見、

「……日記って、此処にあるのか?」
と夏目が言った。

「おねえちゃんの日記ですか。

 ありますよ。
 たいしたこと書いてないですけど。

 見ますか?」

 未咲はドアを開け、部屋の電気をつけた。

 ソファの上を見た未咲は、あっ、と声を上げる。

「日記がないっ」

「ない?」

 未咲は玄関で靴を脱ぎ、慌てて、ソファの上を見て、下を見る。

「日記がありません。
 此処に置いておいたのに」

「泥棒か?
 いや、日記なんて取って逃げるか?」

「そ、そうですよね。

 日記取って逃げる泥棒、居ないですよね」

「他になくなっているものはないのか?」

 未咲は部屋を見回し、

「……特に」
と呟いたあとで、引き出しの中など開けてみた。
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