禁断のプロポーズ
 佐々木が此処に居るかもしれないと思って、かけて来たようだった。

 電話に出た佐々木から、はい、と携帯を渡されると、智久が言う。

「鑑定のことも言え。
 ……俺のことも言っていい」

「智久さんが予約してくれたの、明日、DNA鑑定に言って来いって。
 智久さんも一緒に受けるって」

 そう言うと、夏目は、
『そうか……』
とだけ言った。

 それで、夏目は、智久の出生に関する噂を知っていたのだとわかった。

 夏目の電話は、もう外に出ても大丈夫だという内容だった。

「え、心配いらないって」
と言うと、

『あの男が来た』
と言う。

『お前を狙ってた奴は始末したから、もう問題ないと言っていた』

「そうーー。

 よかった」
と言いながら、いや、よかったのか? とも思っていた。

 始末したってことは、殺したってことよね?
と思ったのだが。

 夏目は他に気になることがあると言う。

『お前を狙った男は、空き巣にも入っていないし、お前の姉貴を殺してもいないらしい。

 まあ、空き巣はただの空き巣で、姉貴は自殺だったのかもしれないけどな』

 そうなのだろうか。

 本当に? と思いながら、未咲は、
「あの、私、会社に荷物を取りに行きたいんですが」
と言ってみた。

 夏目は、
『じゃあ、俺がついて行こう』
と言う。 
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