禁断のプロポーズ
 



「なんですって?
 もう一回、言ってちょうだい」

 空いている小会議室で、桜とお昼を食べているとき、夏目の家で暮らすことになったと彼女に告げた。

「それで、昨日から、課長のおうちに厄介になってるんです。

 あの、帰りに家に荷物取りに行くの、ついて来てくださいませんか?

 昨日はすぐ部屋を出たかったから、荷物はほとんど持ち出してなくて。

 課長は帰りが遅いから、平山さんについて来てもらうって言っちゃったんですけど。

 もし、予定がなかったから、お願いします。

 なにか奢りますから」

 桜は横目にこちらを見、

「服は持ち出せたわけ?」
と訊いてくる。

「はい、一枚だけ。
 服が変わらないと、みんな目敏いから」
と言うと、

「わかってるじゃない」
と言う。

「特にあんた、遠崎夏目にプロポーズしたばっかりだから、憶測が飛ぶわよ。

 って、朝帰り以上に進んじゃってるじゃないの、同居だなんて」
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