禁断のプロポーズ
「でも、本当に住まわせてもらってるだけですから。

 課長の家、古くて大きいんですよ。

 もともと課長のおばあさまが住んでらした家みたいで。

 だから、同じ長屋に住んでる、くらいの感覚ですかね」

「知らないわよ、長屋に住んだことないんだから」

「いや、私もないですけど。

 ともかく、昨日は、下着とか歯ブラシとかも、コンビニで買ったんですよ。

 早く出たかったから」
と言うと、溜息をつき、

「わかった。
 ついて行ってあげるわよ」
と桜は言った。

「でも、その日記とやら、なんで私に見せなかったのよ。

 私なら、なにかわかったかもしれないのに。

 ……あんた、もしや、私のことも疑ってたの?」

「はい」

「あっけらかんと言わないでよ」

「課長は自分のことも疑えって言ってましたよ」

「そりゃあ、向こうは男だからね。

 まあ、ただのお友達のように見えたけど、実はなにかあったのかもしれないし」

「そうですよね〜。

 だとしたら、おねえちゃんの相手と同居っていうのも、なにやら気詰まりですよね」

「まあ、せいぜい、殺されないようにしないさいよ」

「もう〜、平山さんっ」
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