禁断のプロポーズ
 思わず、構えるように、強く目を閉じてしまったが、触れてきたのは、刃ではなく、夏目の唇だった。

 そのまま抱き締められる。

「もう勝手に狙われて、勝手に他の男にかばわれるな。

 お前をかばって刺されるのは俺だ」

 そう夏目は耳許で囁く。

「嫌です。
 夏目さんが刺されるなんて、冗談でも言わないでください」

 未咲は強く夏目の両腕を掴んだ。

 もう一度、強く口づけられる。

 その強さに、畳の上に倒れそうになった。

 夏目の腕が支えてくれたが、彼は、そのまま、ゆっくりと未咲を畳に横たえる。

 自分の上になり、見つめてくる夏目の頰に、未咲は、そっと触れてみた。

「怖いんですか?」

 夏目の揺れる瞳に、鑑定のことが気になっているのだと察したからだ。

「自分の気持ちは怖くない。
 お前が怖いだけだ」
と言いながら、夏目は胸許に頭を寄せ、目を閉じる。

 子供がすがって来るかのように。

 夏目の使う清涼感のあるシャンプーの香りが鼻先でした。

 そんな夏目の髪を撫でながら未咲は言う。

「なにも疑わないでください。
 私は夏目さんだけが好きです。

 貴方が兄だろうと、智久さんが甥だろうと関係ない」
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