禁断のプロポーズ
「智久になにか言われたのか」

 一瞬、迷ったが、真実を告げる。

「結婚してくれと言われました。

 もし、私と智久さんが、血のつながった叔母と甥だったとしても」

「それで?」
と少し突き放したような感情の窺えない声で夏目は訊いてくる。

「なんて答えたんだ」

「なにも答えてないです。

 だって、答える必要ないです。

 ずっと貴方にも智久さんにも言ってるじゃないですか。

 貴方が好きだって。

 もしかしたら、貴方がおねえちゃんの仇かもって思ってるときだって、止められなかったのにっ。

 あのときも思った。

 例え、貴方が何者でも構わないって。

 私はただ、ずっと貴方とこうして居たいだけ」

 血がつながっているかどうかなんて関係ない。

 今、目の前にある貴方の心と身体だけが、私にとっての現実だから。

 夏目の片手が頰に触れた。

 息がかかるくらい間近で。

 夏目が瞳をそらさずに囁く。

「愛してる、未咲」

 はっきりそう言われたのは、これが、初めてのような気がする。

 もう一度、今度は長くゆっくりと夏目は唇を重ねてきた。
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