禁断のプロポーズ
 今、その猿を人に取られそうで、ちょっと寂しくなっているようだが。

「あのー……」
とその話題に入らないで聞いていた清水が遠慮がちに声をかけた。

「此処が愛人課って噂、本当なんですか?」

 ぴたりと会話が止まる。

 間があって、灰原が答えていた。

「本当よ」

「え……」

「別に強要はされないわ。
 嫌なら会社辞めればいいのよ。

 その権利だけは、私たちにもあるわ。

 でも、別に愛人にするために此処に集められてるだけじゃなくて、綺麗な子が多いから、目をつけられやすいってだけの話。

 基本、秘書室に配属されてるのは、口が堅い人間が多いから、その中から選んだ方がいいしね。

 そうでないのも居るけどね。

 で、その愛人になった中から、うっかり揉めたり、横領したりする人間が出てきて、クビになったりするわけ」

「クビですか」

「表沙汰にはしたくないから、自主的に退社する形を取るけどね。

 疑い、だけで去ってく人たちも居るけど。

 伶奈さんとか、志帆さんとか、井上さんとか」
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