禁断のプロポーズ
「伶奈さんと志帆さん、横領の疑いがあった時期に、同時に辞めたから、どっちだろうって言われてましたよね」
「でも、伶奈さんはーー」
「もうやめよう、この話」
と灰原が言い、みんながガサガサと片付け始める。
やばい。
未咲は引き出しにあった携帯と財布だけ掴んで、そっと外に出る。
「そういえば、さっき、やけに気にしてましたよね。
未咲が……」
ええっ。
なにっ。
気になるっと思ったが、もう戻れる状態にはなかった。
うう。
なんだったんだろう。
結局、ロッカーの鞄は取れなかったな、と思いながら、携帯を開いてみたが、着信はなかった。
智久さんが、こんなに遅れたのにかけて来ないだなんて。
薬が効いて寝てるとか?
まあ、やかましいから、忘れがちだけど、今日、刺されて、手術したばっかりだもんな。
麻酔切れた直後で、あの喋りは驚異的だ、と携帯を見ながら、エレベーターのボタンを押したとき、背後に誰かが立った。
「お疲れ様でーす」
と反射的に言ったあとで、はっとする。
まずい。
見つかっちゃった。
智久さんのこと、訊かれるかもっ、と身構えたのだが、そこに居たのは、秘書室の人間ではなかった。
「でも、伶奈さんはーー」
「もうやめよう、この話」
と灰原が言い、みんながガサガサと片付け始める。
やばい。
未咲は引き出しにあった携帯と財布だけ掴んで、そっと外に出る。
「そういえば、さっき、やけに気にしてましたよね。
未咲が……」
ええっ。
なにっ。
気になるっと思ったが、もう戻れる状態にはなかった。
うう。
なんだったんだろう。
結局、ロッカーの鞄は取れなかったな、と思いながら、携帯を開いてみたが、着信はなかった。
智久さんが、こんなに遅れたのにかけて来ないだなんて。
薬が効いて寝てるとか?
まあ、やかましいから、忘れがちだけど、今日、刺されて、手術したばっかりだもんな。
麻酔切れた直後で、あの喋りは驚異的だ、と携帯を見ながら、エレベーターのボタンを押したとき、背後に誰かが立った。
「お疲れ様でーす」
と反射的に言ったあとで、はっとする。
まずい。
見つかっちゃった。
智久さんのこと、訊かれるかもっ、と身構えたのだが、そこに居たのは、秘書室の人間ではなかった。