禁断のプロポーズ
「ちょ、ちょっと待っててくださいね。
片付けますから」
玄関前でそう言った未咲に、桜は、
「あんたの部屋が散らかってるのなんて、見なくてもわかるわよ。
あの机の上の乱雑さを見たら」
よくあれで、何処になにがあるか、わかるわねえ、といっそ感心したように言う。
「あれ、配置変えるとわからなくなるんですよー」
小さくドアを開け、素早く中に入ろうとすると、
「中に誰か居たらどうするのー?」
と桜は気のない声で訊いてくる。
「フライパンででも、殴ってください」
「フライパン、中に入らなきゃないじゃないの」
そうぼやく声がドアの向こうから聞こえた。
未咲は、急いで、ソファの上にあるものなどを片付ける。
「どうぞー」
と玄関に駆け戻り、ドアを開けた。
ふうん、と中を見回した桜は、
「結構片付いてるじゃない。
短時間で」
と言うが、
「いえいえー。
押し込んだんですよ、いろんなところに」
そう苦笑いして、未咲は答える。