禁断のプロポーズ
「水沢さんが信用できるとわかったら、話します」

「僕ほど信用できる人間は居ないよ」
と大仰に言ってみせるが、いやいやいや、貴方が最も信用できない感じなんですけど、と思っていた。

 だが、克己は、姉のこともよく知っているだろう。

 なんとか、自然に聞き出せないものか、とは思っていた。

 そこで、克己が、あ、と声を上げた。

「平山桜はきっと君の秘密を知ってるんだよね。

 あれだけ急速に親しくなったのは、秘密の共有がそこにあるからだ。

 じゃあ、まず、平山を落として、話を聞き出すってのは、どうかな?」
と陽気に克己は言うが。

「無理だと思います」

「平山は広瀬専務が好きだから?

 大丈夫。
 みんな知ってるよ。

 ま、わかってないのは、専務くらいかな」

「あー、気づかなさそうですよねー」
と言うと、克己はこちらを見て笑った。

「なんですか?」

「いや、別に。
 君みたいな鈍そうなのに、そう言われて、専務もさぞ、不名誉だろうと思っただけだよ」

「鈍いってなんでわかるんですか?」
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