禁断のプロポーズ
「わかりました。
 声かけてみます。

 私は水沢さん、なんとも思ってないので、なんでも言えますよー」
と言うと、

「そりゃあ、あんたは、あの遠崎課長にプロポーズできるくらいだもんね」
と同期だが、担当が違うので、まだ、あまり話したことのない清水という女が言った。

 新入社員全体の研修中では、彼女は違う子たちと居たようだし。

 同じ部署で同期というのは、張り合ったりして、なかなか関係性が難しいと桜がもらしていたことがある。

 私は誰とも張り合うつもりもないので、関係ないが、と未咲は思っていた。

「課長、声かけにくいですか?」
と清水に問うと、

「なんで私にまで敬語よ」
と顔をしかめたあとで、

「かけにくいわよ。
 広瀬専務級にかけにくいわよ」
と言い出す。

 まあ、それはわかる気がするな、と思った。

「近寄りがたいって言うか。

 チャラついたところないしね。

 誰かと付き合ってたとか言うのも聞かないし」
と誰かが言うと、

「でも、ほら、あの人と親しくなかった?

 同期の――」

「ああ」
と周りが相槌を打ちかけたところで、灰原が咳払いしてそれを止める。
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