空っぽのイヤホン(仮)
パシッと私の手首を掴む五十嵐。

そのまま引き寄せられて、よろけながら五十嵐に近寄る。

「な、」

に?と言う前に、視界が黒く染まった。

何が起きたのか理解できなかったけれど、鼻をくすぐった甘い匂いに気づく。

五十嵐の、匂いだ。

…私、五十嵐に抱きしめられて……っ!?

理解した瞬間、全身が硬直したように動かなくなる私を知ってか知らずか

五十嵐がとんでもないことを口にした。

「俺、みっこと付き合ってるから。
彼女優先すんの、当たり前だろ。」
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