冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 ダニエルは明るく闊達な青年だった。

 シルビアのことが思い出されて、なかなか素直に会話する
 気になれなかったリューリも、気がつけば、ダニエルの
 明るい口調にひきこまれ、会話を楽しんでいた。

 それにダニエルは庶民の暮らしにくわしかった。



   「僕は、鼻にかけた高慢な貴族の暮らしがあまり好き
    ではないんですよ。
    両手からつくりだす庶民の暮らしにあこがれを
    もっています。」

   「まあ、私もそうですの。体をうごかしてなにかする
    ことが好きです。」



 そういったリューリにダニエルは、にっこりと笑いかけた。



   「父の治める西の領には、古くから庶民に伝わる
    手機織りという織物の伝承があり、工房があります。
    一度、ご覧になりませんか?」

   「とても魅力的なお話ですわ。」

   「私がご案内しますよ。まだ四、五日は王都で過ごしますが
    その後、西の領へもどります。
    妃殿下をつれて帰ったら、父も喜ぶとおもいます。」

   「では、陛下に聞いてお許しをいただいたら。」
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