冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
 
 リューリからの情報や、内偵させていた者からの情報をたよりに
 取引のおこなわれる日時を特定したアシュレ達は、
 今日、その取引の現場とされる港の倉庫へでかけていった。

 それを見送ったものの、リューリの胸の内は晴れない。

 何か見落としていることがあるような気がする。



   「リューリ様、お呼びになられていた武官がまいりました。」

   「ありがとう、こちらに通してちょうだい。」



 案内されて部屋に入ってきた武官はまだ若い青年だった。

 突然の皇妃の呼び出しに、戸惑った顔をしている。



   「あなたが調査のために使っていた浮浪者の話しの中に
    ジェイド.マン達が、会話の中に意味不明な言葉を織り交ぜていた
    といったものがありましたね。
    私、その言葉が知りたいの。」

   「その話はアシュレ様からもありましたが、当の浮浪者がはっきり
    とは憶えていなくて、それ以上は聞き取りしませんでした。」



  (陛下は私の進言をきいて、ちゃんと動いて下さっていたんだわ)


 でも、問題にまではされていなかった。

 しかし、リューリはこの事を重要に考える根拠があったし、方法も
 わかっていた。



   「うまくいけば、その浮浪者は言葉を思い出すかもしれません。

    私を浮浪者にあわせてほしいのです。」
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