冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

   「大変だわ。取引場所は港の倉庫じゃない。
    港に入る前にある水路のどこかよ。
    あなたは、このことをアシュレ様にすぐ知らせて!」



 リューリの言葉を聞いた武官は、すぐに馬に飛び乗り駆けていった。



   「女神様 あんたはきれいな顔をしておっかないな。」



 浮浪者は、駆け去っていく馬をみながら、唖然とした顔で呟いた。

 女のリューリが、大の男に命令したのを見て、そう思ったらしい。



   「とても大事なことだから、仕方ないの。でも、あなたの
    おかげだわ。ありがとう。」



 そう礼を言い、浮浪者に金貨を何枚かわたすとリューリは馬車にのった。

 城へと馬の頭をむけた御者に、リューリはきっぱりとした声で言った。



   「私達も水路へ向かいましょう。」
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