冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~

 馬車へと走った男が戻ってくるまでの時間がとてつもなく
 長く感じる。

 しばらくして戻ってきた男は金貨の入った袋をさしだした。

 
 頬に傷のある男はにやりと笑うと、リューリのフードを引き下ろした。

 フードの中にしまっていた、淡い金色の髪がはらりと広がる。



   「ヒュー!こりゃぁ、べっぴんさんだ。」



 近よってきた、傷の男がリューリの髪をつかむ。



   「リューリ様!」



 御者がリューリのもとへ駆け寄ろうとするが、手下のひとりに阻まれて
 近づけない。



   「こんな淡い髪の色はめずらしい、これも切り取って売れるな。
    だが、その前に女の味を試させてもらうのも悪くない。」

   「へへへっ。」



 下卑た笑いがおこった。



 ぐいっと腰をひかれ、男の顔が近づく。

 触れられている事が、虫酸が走るほど厭だった。



   「良い匂いがすらぁ。」



 そう言って、男の下がリューリの首筋をペロリと舐めた。

 ごつごつとした手が、腰から胸へと這いのぼってくる。
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