あと一歩、君の背中に届くまで
「わー!もう、最悪!急に降り出してくるんだもん。びしょ濡れ!」
図書館の入り口前の軒下で服や髪についた雨の雫をはらいながら、そうブツブツ呟いていた。
髪もビショビショで、カバンに入っているタオルで拭きながら図書館の中へ入っていった。
勉強室に入ると、ほぼ満員。
唯一空いていた席があったけど、
その席はクラスメイトで、頭の良い遠山千裕の隣だった。
遠山千裕…。
あいつも図書館来るんだ。
図書館で同級生やクラスメイトになんて会ったことがなかったから、
ちょっと新鮮で、なにか落ち着かなかった。