キスより甘くささやいて
砂浜に降りる階段の近くに車を停めて、颯太は私の顔を見る。
「どうしたの?」聞く。
「私はそろそろ、看護師の仕事に戻ろうと思ってる。
…颯太のお母さんのお見舞いに通ううちに
痛みのある患者さんの看護について学びたい思うようになったの。」と颯太を見る。続けて、
「緩和(かんわ)の看護っていうんだけど、
そういう看護を掲げている病院に勤めて勉強した後、
緩和看護の資格を取るために看護師のための学校にも行きたいと思ってる。」と言うと、
「最近の美咲は、なんか考えてるなって思ってた。」と溜息をつき、
「そっか。その病院って、ここからは通えないんだろう?
…離れられないよ」と私を深く抱きしめて、
「gâteauも閉まっちゃうし、
俺も、美咲の勤める病院の近くで一緒に暮らしたい。
…そこで新しい仕事、見つければいいか」と私の表情を見る。
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