キスより甘くささやいて
私は颯太の腕を解き、バッグの中から、颯太の机から、持ち出したエアメールを取り出す。
颯太は唖然とした顔をする。
当然だ。
「机の上にあったエアメールを持ち出したの。
きっと、パティシエとしての颯太に来ている手紙だと思った。
きっと、仕事の誘いだとおもった。
どうしても内容が知りたかっの。
フランス語の出来る人に見てもらった。
…颯太、フランスに誘われてるんでしょう?…私は颯太にフランスに行って欲しい。」と一息に言った。
颯太は私を睨みつける。怖い。
怒って、当然だ。殴られたら痛そうだ。と目を静かに閉じて待つ。
しばらく黙っていた颯太は、
車のドアをおおきな音を立てて、閉め、寒い外に出て行った。
階段を降りて行き、途中に座る。
しばらくしてから、私は自分の荷物と颯太の上着を持って、車外に出る。
階段を降り、颯太の横に立って、上着を着せかけ、
「こんな事をして、ごめんなさい。
今日は山猫に泊めてもらう。家に帰って。」と涙を落とさず言えた。
私は階段を上がり、駐車場を歩く。颯太が追ってきて、私の手をつかんで、
「送る。」と仏頂面で歩き出す。
「颯太、ここからは10分もかからないから、大丈夫」と言ったが颯太は手を離さない。
車に乗せて、エンジンをかけた。
山猫の前で車を停め、乱暴にキスをしてから、
「メリークリスマス。」と言って、車から降ろした。
颯太は、私が山猫に入るのを確認してから、エンジンを響かせ、去っていった
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