能あるイケメンは羽目を外す
今日は結婚式だし記念にスイートに泊まろうと思ったが、こんな高い部屋は予算がなくてすぐに諦めた。

たった一泊で月給の半分がなくなるなんて……。そんな贅沢は庶民の感覚からかできなかった。

そんな部屋に宿泊する彼って……やっぱり私とは全然違う世界の人なのかもしれない。

私は窓際の椅子に腰掛けながらじっと綺麗な夜景を眺める。

本当なら今夜婚約者と初めての夜を過ごすつもりだったんだけどな。

何を大事に守ってきたんだろう。

私の貞操観念が古すぎるから彼に捨てられたのかもしれない。

「私って……馬鹿だよね」

三ヶ月付き合った婚約者の彼とは一度も寝てないのに、さっき会ったばかりの人と一夜を過ごそうとしている。

「シャワー浴びてきたら?」

物思いに耽っていると、彼に声をかけられた。

「……はい、お借りします」

チラリと彼に目を向ければ彼はバスローブ姿で、恥ずかしくてまともに目を合わせることは出来なかった。
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