能あるイケメンは羽目を外す
「茹で蛸みたいって……それ全然可愛くないから!」

「じゃあ、楓に選ばせてあげる。一人で着替えて俺に見せるのと俺に着替えを手伝ってもらうのとどっちがいい?」

この意地悪な目。

絶対私をいじめて面白がってる。

「何でその二択しかないの?他の選択肢は?私が一人で選んじゃ駄目?」

陽斗の目を目て懇願するが、彼は悪魔な顔で楽しそうにそんな私の願いを退ける。

「ない。だから諦めて」

きっぱり陽斗に言われ、私はがっくり肩を落とし力なく呟いた。

「……一人で着替える」

それから水着に着替える度に陽斗に上から下まで値踏みするような視線でじっくり見られ彼が選んだ水着を二着買うと、デパートの隣の家電量販店でスマホを新機種に変えられ、その後何故か彼の知人が経営するダイビングショップに連れていかれた。

「ライセンス持ってないと海に潜れないからね」
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