能あるイケメンは羽目を外す
「楓か。古風な名前だね。僕は沖田陽斗」

「陽斗……」

春の日差しのように柔らかく笑うこの人に合っている。

でも……この名前……どこかで聞き覚えがあるような。

ひょっとしたらモデルとか芸能人なのかもしれない。

こんなに綺麗な人を見たのは初めてだから。

「おいで」

陽斗は私をベットに誘うと、顔を近づけて唇を重ねる。

彼とは今日初めて会ったというのに、私は自然に彼のキスを受け入れた。

その熱い唇に翻弄されるように、私は彼に身を委ねる。

頭のてっぺんから足のつま先まで慈しむようにキスをされ、人前では絶対に泣かないと決めていたのに知らず涙が溢れ落ちた。

何でこんなに優しくしてくれるの?

私はじっと陽斗を見つめる。

私の涙を掬い上げるように舐めると、陽斗は真剣な表情で私を見つめ返した。
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