能あるイケメンは羽目を外す
『本気で言ってるとしたらあなたは馬鹿ですね。だいたいあなたは……‼』

「しつこいよ。朝からお説教は止めてくれるかな」

俺は冷ややかに言って、杉原の言葉を遮った。

今日は笑ってこいつのお説教を聞く気分じゃない。

親父が俺に会社を継がせたがるのはわかっているが、正直言って経営にはあまり興味はないし、会社を継ぐ気満々の翔馬と張り合うつもりはない。

なりたい奴が社長になればいい。

俺が今ソレイユにいるのは親父の意志であって、俺の意志ではない。

「ところで、成沢楓って女性が昨日うちのホテルで式を挙げる予定だったんだけど、彼女の事調べておいてくれない?」

『突然何を……。まさか、その成沢楓って女性が昨日の夜の相手じゃないでしょうね?』

「野暮な事聞かないでよ。それに、お前がこれ以上お小言を言うつもりなら、今日は会社休むよ」

俺は軽い口調で杉原に告げる。
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