能あるイケメンは羽目を外す
なぜ……?どうしてうちの会社に陽斗がいるの?

杉原さんとは親しげに話してるし、来客ではなさそうだ。

だったら一体……どうしてここに陽斗がいるの?

頭の中は混乱していた。

社員証はつけてるし……陽斗は私には気づいていたと思う。

でも、彼は……私を私として見てはいなかった。

ホッとすべきなのに……何でだろう?

胸がズキンと痛い……。

一夜だけって言ったのは私の方なのに……。

おかしい。何でこんなに悲しくなるの?

「……楓、大丈夫?顔色悪いわよ。今日は有休取った方が良かったんじゃない?」

社長秘書の二ノ宮麗香が背後から私に声をかける。

彼女は私の同期で一番の親友だ。

綺麗な切れ長の目が特徴的な古風な美女。背は百六十あって私より少し高く、頭も良くて凄く頼りになる。
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