Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「はい!二俣愛って言います。先生にはお兄ちゃんがお世話になりました。」
そのしっかりした物言いが微笑ましくて、みのりに笑顔が戻ってくる。
「二俣くんに妹がいたなんて、知らなかったな」
「ああ、やっぱり!お兄ちゃん、学校の友達とかには、私の存在を隠したがるんですよね~」
口を尖らせるその表情が、なんとも二俣にそっくりで、みのりは笑いが次々と湧いて止まらなくなった。
「どうしてだろう?こんなに可愛い妹だから、自慢したらいいのにね」
みのりがそう言ってあげると、愛は照れ臭そうに顔を真っ赤にして、みのりの肩をポンと叩いた。
「やぁだ!みのりちゃん!それ、ホント~?!」
出会ったばかりで、この打ち解け方。こんな気さくなところも、愛は二俣そっくりだ。
「みのりちゃんのことも、お兄ちゃんが言ってました。すごい綺麗で可愛い先生がいるって。いつも、ラグビーの試合の応援に来てくれるって。」
これを聞いて、みのりは肩をすくめた。
時折言われるこの「綺麗で可愛い」という評価に、みのり自身はいまいち納得ができない。大体、綺麗と可愛いが同居している存在なんて、不思議すぎてみのりには想像さえできなかった。