Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「いや、だけど。きちんと正しいタックルを練習したら、怪我は防げるし相手を倒せる確率も上がるよ。」
「そっか、目をつぶらなきゃいいの?」
「うん、ちゃんと見なきゃ、当てずっぽうでタックルすることになるからね。それから、確実に肩を当てて、頭を相手の背中側に。」
「わかった!」
始めたばかりという子の方が、構えて実際にやってみる。
「背中を丸めて、首もすくめて、小さくなって低く構えて。」
遼太郎に言われるとおりに、構えるポーズを修正する。それから、踏ん張っているもう一方の子に思いっきりぶつかっていった。
「そう!ぶつかったら背筋を伸ばして!足をかいて前に出て!今、相手のお尻に自分のほっぺが当たってるだろ?それで、回している腕を自分の方に引き寄せると…」
相手役になっている子は、踏ん張っていたにも関わらず立っていられなくなって、ゴロンと倒れた。
「ナイスタックル!!」
遼太郎が満面の笑みでそう言うと、倒した子も倒された子も同じような笑顔になった。
「よし!今度は俺がやってみるぜ!」
倒された子は、すぐさま立ち上がった。遼太郎に教えられたことをすぐにでも実践してみたくて、たまらないようだ。