Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
関わりたくないどころか、現に今、隣で歩いているこの距離感…。どう考えても近すぎる。伊納の肩とみのりの頭がぶつかりそうで、見ようによっては肩を抱かれてるみたいだ。
みのりはジワリと横に移動し、伊納との距離を空けた。でも、伊納の方も、すかさずその間を詰めてくる。これには、みのりもさすがに身の毛がよだち、その場を逃げ出そうかと思い始める。
「みのりちゃん…!」
男の子の声がして、後ろから大きな足音が近づいてきたと思った時、みのりの手首は何者かに掴まれていた。
その人物はみのりの腕を引っぱって、いきなり走り始める。みのりが走りながら振り返ると、伊納が呆気にとられて立ちすくむ姿が、遠ざかっていく。
それでもまだ、男子生徒と思われる後姿は、みのりの手を握ったまま走り続けた。先に階段を下りていくその後姿に、みのりは見覚えがあった。
「俊次くん!!ちょっと待って、俊次くん!私、そんなに速く走れない!!」
やっとのことでそう訴え、みのりの足がもつれて転げそうになった時、グラウンドが見渡せる「あの」犬走りで、ようやく俊次は止まってくれた。
自由になった手を膝について、息が整うのもままならず、みのりは俊次を見上げて尋ねる。
「どうしたの?いきなり…」
その問いに、俊次の方が意外な顔を見せた。