Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 俊次は自分の足元を見つめながら唇を噛み、しばらく考えていたが、


「…うん、分かった…。」


と、短く言って頷いた。
素直に話を聞いてくれたので、みのりもホッとして息を抜いた。


「いろいろ勧誘されてるから、どの部にしようか迷っちゃうけどね。入るとしたら、どの部に入ろうと思ってるの?」


「うーん……」


 みのりからの問いかけに、俊次は考え込んで首をかしげる。みのりはその表情を読んで、俊次の思考を予想して続けた。


「もっと本格的に野球に取り組みたいなら、野球部もいいし。他にできるスポーツを増やしたいなら、野球じゃない部もいいかもね。私としては、ラグビーファンだから、ラグビー部に入ってもらいたいけど。もし俊次くんがラグビー部に入ってくれたら、私必ず応援に行くわ。」


 ピクリと俊次の体が反応した。そして、不安げな目でみのりを捉える。


「…ラグビーだと、兄ちゃんと比べられそうで、嫌なんだ……。」


 かつての遼太郎のラグビー部での存在感は、俊次も感じ取っているところのようだ。弟だからと言って同じ期待を寄せられたら、しんどく感じてしまうだろう。

 大きな体に不似合いなほどの繊細な感情に、みのりは言葉を逸して俊次を見つめ返した。それからニッコリと、笑顔になる。


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