Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
決意を固めた俊次が、気を取り直したように青空に向かって大きく伸びをする。
「あーあ、兄ちゃんにシゴかれるのは嫌だけど、しょうがないか…。」
「お兄さんに…?」
「そう、俺の兄ちゃん、狩野遼太郎。みのりちゃんも知ってんだろ?」
その名前を聞いた瞬間、みのりの体に震えが走った。
それは紛れもなく、昼も夜も四六時中みのりの心に住み続ける愛しい人――。
まさにこの場所で、みのりを好きだと言い、優しく抱きしめ、キスをしてくれた人――。
突然、みのりの胸は切なく痛みだして、息が出来なくなる。
「……遼太郎くんは…、元気にしてる…?」
遼太郎の名を口にするだけで、声が震えそうになる。その震えを隠しながら、苦しい息を押し殺して、辛うじてみのりはそう訊いた。
訊いてしまうと、もっと鮮明に遼太郎を思い出して、もっと切なくなることは分かっていたけれども、訊かずにはいられなかった。
目の前にいる俊次は、まさしく遼太郎の弟で、みのりと別れた後の遼太郎を知っている一人だから。
「元気、元気!元気すぎるよ。兄ちゃん、帰省してるときはラグビー部の練習を手伝ってて、ほとんど家にいないし。東京でもラグビースクールのコーチになったとかで、休みは相変わらずラグビーばっかり。」
「……そう…!」