Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 すると、由起子はちょうど開いていたみのりの隣の席の椅子に座って、みのりに身を寄せる。


「昔、私が講師の時にいた学校でね。私、伊納先生のクラスの副担やってたことがあるんだ。」

「へ~、知らなかった。」


 意外な事実に、みのりは目を丸くする。


「伊納先生って、教科指導も生徒指導も言うことなくて、一応いい先生ぶってるけど、ひどいもんよ。同僚の先生はおろか、生徒にも手を出してて。ほら、見た目はまぁ一応イケメンだし、生徒はすぐに騙されちゃうから。とっかえひっかえしても、常時、5人くらいとは付き合ってたみたいよ。」


――……ええっ?!なんて男……!!


 今さらにして知ってしまったその事実に、みのりは愕然として何も言葉が返せなかった。


 いずれにしても、不器用な江口などとは違って、伊納は女を落とす手管に長けているらしい。
 巧みに事を運ばれて、気付いたら〝同意の上〟ということで関係を持ってしまった…。なんてことになりかねない…。

 確かに由起子の言う通り、気を付けなければならないと、みのりは肝に銘じた。



 ……そして、とうとう伊納と約束をしていた〝食事をする日〟になってしまった。


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