Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「そうだね。それは、解ってるんだけど…。…プリント、終わった?」


 みのりは気を取り直すように、プリントを覗き込む。一通り目を通して、その出来を確認すると、もう一度俊次に向き直った。


「あんまり部活に遅れるといけないから、今日はこれでおしまいよ。」

「…え?おしまい?」


 意外そうに目を丸くして、俊次はみのりの言葉を反復する。


「今日は、ね。ロックの君がいないと、スクラム練習ができないでしょ?試合前だし、みんなに迷惑かけられないもんね。」


 俊次は、心の中で「その通り」と同意しながら、黙ったままみのりの言葉を聞いた。


「でも、明日からも毎日少しずつやっていくのよ?あとの残りのプリントや、数学や英語の課題は、まだたくさん残ってるはずだからね。放課後、部活の時間を潰したくないのなら、朝早く登校してきなさい。」

「……ええっ!?朝、やるの?」

「私も早く来て付き合うから。私は数学や英語の指導はできないけど、一緒に取り組むことはできるはずよ?」


 こうやってみのりから優しく語りかけられると、俊次は何も抗う言葉を言えなくなる。それどころか、この優しさが心に沁みて、また涙が込み上げてくる。

 ただ、ここまでしてくれるみのりの気持ちに応えたいと思った。きちんと目に見える形で、結果を出したいと思った。


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