Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「ラグビースクールのコーチをしているって、俊次くんから聞いています。卒業してもラグビーには関わっていってほしいって、江口先生もおっしゃってましたし、趣味だとしても高校時代に打ち込んだことが、これからも遼太郎くんを支えていってくれると思います。…俊次くんも、今からラグビーだけでなく勉強も頑張れば、遼太郎くん以上に成長できると思います。」
母親は吹き出すように、いっそう大きな笑いをもらした。
「…そ、そう、遼太郎じゃなく、今日は俊次のことですよね?……だけど、あの子が、頑張れますかね?それこそ、遼太郎ならともかく、あの子は体は大きいですけど甘えん坊ですし……。」
「大丈夫です。スタートは遼太郎くんより1年早いですし、俊次くんは遼太郎くんより意地っ張りですから。」
「アハハハ…、さすが先生、よく解ってらっしゃる。」
楽しそうに母親が笑うので、みのりも釣られて笑顔になった。遼太郎の母親は、明るくて笑顔の絶えない、本当に素敵な人だと思った。
その時、玄関のドアが閉まる音がして、鼻歌が聞こえてきた。
「ただいまぁ~。表に車が停まってたけど、誰かお客さん?」
という声を響かせながら、リビングに俊次の大きな体が姿を現し、みのりの顔を見るや否や、固まった。