Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「……あいつ、そんなことまでみのりちゃんに言ってるの?…仲直りっていうか…、あの後も別に普通にしてるし…。」
という愛の様子を窺って、いわゆる「仲直り」はしていないと、みのりは判断する。
ケンカとまではいかないが、ギクシャクした状態が続いているのだろう。
「念のために言っておくけど、俊次くんの個別指導は、初めは課題を全く提出しないから始めたんだけど、今はほとんど自分でやってるのよ?私はその進捗状況を確かめてるくらいで。」
そんなみのりの言葉を愛は黙って聞いて、それからポツリと言った。
「だったら、家でやっても同じじゃない…。」
「うん、だけど、家じゃなかなか、自分にスイッチを入れるのが難しいんだろうね。机の隣にベッドがあったり漫画があったり、ゲームがあったり。誘惑も多いから。」
俊次の散らかりまくった部屋を思い浮かべて、あそこは学習ができる環境ではないと、みのりも断言できる。
そう言われて、愛は何も言い返すことができなくなった。自分の中にある思いをどう表現すべきか迷っているように、黙り込んでしまう。
みのりは、自分の中にある確信を持ち出すべきか迷ったが、思い切って愛に切り出してみた。
「……愛ちゃんは、俊次くんのことが好きなのね?」