Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 愛にとっての自分のように、誰か相談に乗ってくれる人がいたら、こんな自分を『間違っている』と言ってくれるのかもしれない。

 だけど、今のみのりは、愛しい人を好きでい続けることに疲れ切ってしまっていた。



 それから、数日後。
 みのりは『間違っている』と言ってくれる人に遭遇する。…それは、全く思ってもみなかった人物だった。


 夏休み中は生徒による清掃がなく、職員室のゴミが溜まりに溜まっている。みのりがそれを見かねて、ゴミ保管庫へと向かったのは、ずいぶん日が傾いた頃のことだった。


 人気のない保管庫にたどり着き、扉を開いていくつかのゴミ袋を投げ入れる。扉を閉めた勢いが強すぎたのか、扉はきちんと閉まってくれずに、はね返ってみのりの額を直撃した。


「…痛ッ!」


 みのりが額を押さえながら再び扉を閉め直して、一つため息を吐いた時だった。


「よー、みのりちゃん、久しぶり。相変わらずドンくさいな。」


と、背後から声をかけられた。

 振り返ると、西日を背後から受けて影になった人物が、目に飛び込んでくる。その体の大きさから、みのりはとっさに俊次だと思った。…が、今日こそ個別指導で会ったのに、『久しぶり』と言うのは少し妙だ。


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