Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
ラグビー日本代表とニュージーランド代表の試合が行われたのは、梅雨の合間の晴れた日だった。
ニュージーランド代表は、言わずと知れたオールブラックス。それに対して日本代表は、ブレイブブラッサムズと称される。
チケットが手に入った経緯には引っかかるものがあったが、この日を待ちわびていた遼太郎は、試合開始時刻よりもずいぶん早くラグビー場へと赴いた。
試合会場は、花園と並ぶラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場。ここに来て、緑の芝生と空へと伸びるゴールポストを目にするだけで、心が躍る。
それでなくても、世界ランキング1位の絶対王者に、日本が挑むというこの一戦。日本が勝利する望みは薄かったが、オールブラックスが来日し世界最高峰のプレーが目の前で観られるということは、おのずと遼太郎を興奮させた。
ウォーミングアップをする日本の選手たちの、大きな敵に挑む緊張した面持ちを、メインスタンドから眺める。
代表のメンバーには、大学生ながら選出されて遼太郎と同じ年齢の選手もいた。高校生の時には、自分と同じ境遇にいて同じように花園をめざしていたはずの彼は、今はどんな大学生活を送っているのだろう…。
彼のように代表メンバーに選ばれることは、万に一つもないだろうが、もし大学でもラグビーを続けていたならば、自分にはどんな生活が待っていたのだろうと思わなくはない。