Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 実際、大学に入学した直後、ラグビー部に入部することは頭を過っていた。

 しかし、遼太郎の通う大学も大学選手権などにも出場する強豪校で、生活の全てをラグビーに捧げるくらいの気構えがなければ続けていけないだろうと思った。


 …というより、みのりと別れてしまったショックが大きすぎて、何をする気力も湧かず、何も手に付かない状態だった。


 あれから2年が経って、今では少し冷静に、あの頃の自分を顧みることができるようになった。
 思い返してみて、あんな状態になってしまったのはしょうがないと思う。今でも同じことが起こってしまったら、多分同じようになってしまうだろう。


 ただ、そこから抜け出せて一歩ずつでも前に歩き出すことができた。そして、その歩き出す原動力となったのも、みのりへの尽きることのない想いだった。


「…前へ。前へ!…だな。」


 日本代表の練習を見ながら、遼太郎はつぶやいた。「前へ!」というそれは、ラグビーにおいての合言葉のようなもの。ラグビーもとにかく、ボールを1mでも前へ前へと運ぶことが肝心だ。


 今の自分も前へと進んでいかなければ、あの時別れを選んだみのりの決意が無駄になってしまう。

 いつも前を歩いていたみのりを、一足飛びに追い越してこの腕に抱き留められるように…。とにかく今は、自分の選んだ道を信じて、着実に前に進んでいくしかなかった。


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