Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
目の前で再び始まった激しい闘いを観ている内に、遼太郎の意識も再び選手たちと同化し、陽菜の存在を忘れた。
自分が理想とするラグビーを、まさに体現してくれているようなオールブラックスの選手たちには、何度も感嘆のため息をこぼした。日本の選手たちも、なかなかトライまで持って行くのは難しかったが、たまにいいプレーを見せてくれた。
しかし、後半の後半になるにつれて、どんどん力の差が歴然としてくる。オールブラックスにたて続けにトライを決められ、50点以上の点差があき、試合をする選手たちはもちろんのこと、観る側にも少し疲れが出てきた。
すると遼太郎の意識の中に、陽菜の存在が浮かび上がってくる。
――…彼女は、どうしてここにいるのだろう…?
陽菜は、チケットは人からもらった物で、1枚しかないと言っていた。なのに、彼女もここにいて…、しかも遼太郎の隣にいるということは…?
初めから、チケットは2枚あったということだ。
陽菜と二人きりで行く話だったら、遼太郎はこのチケットを絶対に受け取ったりしなかった。陽菜も、そんな遼太郎の行動パターンを読んで、嘘を吐いたのだろう…。
本当に陽菜はラグビーのファンで、遼太郎にはただの好意でチケットをくれただけなのか…。それとも……。