Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「遼ちゃんは生徒だったし…、それに、こんな年上の私に想われるのなんて…迷惑だろうと思って、必死に隠していたからね…。」
そのころの切なく苦しい想いを思い出したのか、みのりは少し声を詰まらせた。
遼太郎の手のひらには、みのりを懐にきつく抱きしめたい衝動が湧き出してくる。その衝動と必死で戦って、みのりの手を取ることに押し止めた。
みのりはその手に視線を落とし、それから遼太郎を見上げ、切ない目で微笑んだ。
「…雨が降り始める前に行きましょう…。」
遼太郎がそう言葉をかけると、みのりの目に戸惑いが混じる。
「スリラーハウスじゃなくて、観覧車。これなら先生でも大丈夫でしょ?」
遼太郎は優しい眼差しでみのりへと微笑み返し、手を繋いだまま観覧車の方へと誘った。
遊園地の端にある観覧車は、待つことなくすぐに乗ることができたのだが、回ってきたのはカップル用のハート形でピンクのゴンドラだった。
みのりには、さすがにそれが気恥ずかしくて、ちょっと戸惑っていたとき、次に並んでいた小さな女の子がそれに乗りたがったので、遼太郎と目を合わせて順番を譲ってあげた。