Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
次に回ってきた普通のゴンドラに、遼太郎に手を引かれて乗り込んでも、みのりは隣ではなく向かい側へと座った。少しずつ高くなっていく間も、二人の間に言葉はなく、ただ遠くなっていく地面を見つめている。
決して険悪な沈黙ではないが、口を開いて少しでもこの空気が揺らぐと、張りつめたものが弾けてしまいそうだった。
みのりの体の中には、自分でも抱えきれないほどの遼太郎への想いが詰まっている。それは、こうやって遼太郎と一緒にいるだけで、1秒ごとに大きくなっていく。普段はそれを心の奥底へと閉じ込めて、それらの一部を表現しているにすぎない。
けれども、今は、先ほどの遼太郎とのやり取りで想いがかき乱されていて、口を開いたり、少しでも遼太郎に触れたりしたら、その想いが堰を切るように暴れ出してしまうだろう。
遼太郎はみのりの向かいから、外の風景を見渡すこともなく、みのりの思いつめた表情をただ見つめている。ゴンドラの中に二人きりだということもあるけれども、憚ることなくそうやってみのりを見つめられるのは、遼太郎の純粋さがなせるものだ。
遼太郎は、みのりと違って何の戸惑いもなく、その視線と同じようにただ真っ直ぐみのりのことが好きだった。