Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「…怖いですか?」
ゴンドラが頂上部へと達したときに、ようやく遼太郎が口を開いた。
「ううん…。」と、みのりは言いかけたが、
「高いから、ちょっと怖いかな…。」
と、今度は強がらずに本当のことを言った。
先ほどから突風が吹き、幾度となくゴンドラが揺れていて、観覧車にしては少しスリリングだった。
「…観覧車なら、怖くないと思ったんだけど…。」
愁いを帯びたみのりの表情を、遼太郎は観覧車が怖かったからだと思ったらしい。心配そうにその顔を曇らせた。
「怖いけど、大丈夫。怖くない。」
遼太郎が心配しすぎないように、みのりがそう言うと、遼太郎はその矛盾に首をかしげた。みのりはその矛盾を説明することなく、にっこりと遼太郎へと笑いかけた。
遼太郎はいつも、みのりのことをこわれものの宝物のように扱ってくれる。そんな優しくて強い遼太郎と一緒にいて、怖いものなんてあるだろうか。
一緒にいられるのなら、ずっとこのゴンドラに閉じ込められててもいいとさえ、みのりは思った。
観覧車から降りて、チューリップで覆われた大きな花壇の周りを歩いていた時、周囲の土埃を巻き上げて、突風が吹き渡った。
思わずみのりが顔を背けて目をつぶると、遼太郎は風上に立ち、みのりを自分の体の陰へと引き寄せる。