Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
体中が緊張して、震えが走る。あまりの息苦しさに、みのりはとうとう一言絞り出した。
「…遼ちゃん……!!」
自分の名を呼ぶその一言は雷となって、遼太郎を打ちつけた。
どう応えていいのか分からなくて、触れることはおろか言葉をかけることさえできずに、ただ見守ることしか出来ない。
一言発してしまうと、みのりの中の込み上げるその想いは、次々と溢れ出して激流となる。抑えられない感情を、どうコントロールすればいいのか、みのり自身にも分からない。
みのりは無意識に、遼太郎へと助けを求めた。拳を顔に付けたまま、遼太郎の首の付け根へと頭を押し付ける。
「…遼ちゃん…!遼ちゃん…!遼ちゃん……!!」
暴れ出した想いを、どう処理していいのか分からなくて、みのりはただ遼太郎の名を繰り返した。
きっと遼太郎は困惑している――。
いきなりこんな激しい感情を突きつけられても、若すぎる遼太郎にはきっと受け止められないだろう。
それは、みのりにも充分に解っている。だけど、一度堰を切った想いの流れは、すべて流れ出してしまわなければ、鎮めることは叶わなかった。
何も具体的な言葉はないけれども、みのりの何も隠すことのない想いは、遼太郎の心に楔となって突き刺さった。