Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



――昨晩は、先生も眠れなかったのかな……?


 自分の肩に頬をつけて眠るみのりの目元が、ほんのりと赤らんでいることに気づく。きっとずいぶん泣いたのだと、遼太郎は察する。
 それは、自分のことを諦めようとして、それだけ苦しんでくれたということだ。それだけ深く、みのりが想ってくれているということだ。

 みのりの可憐な寝顔を見つめながら、遼太郎の胸がキュッと絞られる。愛しくて愛しくて、もう一度キスをして抱きしめて、想いのすべてを注ぎたくなる。

 けれども、遼太郎はそうすることを思い止まった。自分の腕の中のこの安らかな眠りを、守ってあげたいと思った。
 しかし、こんな裸のままで身を寄せ合っていると、欲求は尽きることがない。遼太郎はそっとみのりの頭を持ち上げて枕の上に置き、自分も静かにベッドから抜け出した。

 帰りの飛行機の時間までには、まだしばらくある。みのりには、今はゆっくりと眠っていてほしかった。




 薄く開けたまぶたの間から、光が飛び込んでくる。その光が、いつも感じている早朝の淡いものではないことに気がついて、みのりは反射的に飛び起きた。


「……今、何時っ?!」


 そう叫びながら上半身を起こす。すっかり寝過ごして、仕事に遅れてしまうと直感的に思った。
 ……それから、時計のあるはずの場所に視線を走らせて、初めて覚る。ここが自分のアパートではないことに。


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