Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「……これ以上触れ合ったら、私帰れなくなる。……きっと、遼ちゃんの側を離れられなくなるわ……。」
それこそ、仕事も今の自分の立場も何もかも投げ捨てて、遼太郎の側にいるために手段を選ばなくなってしまう。こうやって自制しておかないと、自分を止められなくなる。
遼太郎は、みのりを抱きしめたまま動かなかった。ただ自分の行動を押し通すように、その腕に力を込めた。
「私、すぐに準備するから、一緒にお昼ゴハン食べに行こ?」
みのりから諭されるように言われて、遼太郎はしぶしぶその腕の力を緩め、みのりを解放した。
確かに、このままこの狭いアパートの部屋の中で二人きりでいると、いつまでもその行為に耽ってしまいそうだった。それほど、遼太郎にとってその初めての行為は、甘美で幸福で、快い感覚に満ち溢れていた。
会えないことに耐えていた時よりも〝好き〟という想いがずっと大きくなって、暴走してしまいそうだった。強すぎるその感情に遼太郎は怖ささえ感じて、キュッと唇を噛んでそれを自分の中に押し込めた。
アパートの外に出てみると、朝のひんやりした空気が嘘のように、残暑の日射しが照りつけていた。
二人でランチを食べるのに適当な場所を探して、おもむろに歩き始める。
「ホントに今日、何も用事はなかったの?私が押しかけて来たから、すっぽかしちゃったんじゃないの?」