Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
並んで歩くみのりが、そう言って気遣ってくれる。
「大丈夫です。何もありません。」
そう答えながら、遼太郎の頭に今日行われるゼミのミーティングのことがよぎったが、別にこれは強制ではないし、どうしても遼太郎がいる必要のあるものでもない。
それにとっくに、予定の時刻は過ぎてしまってる。
遼太郎がスマホを取り出して確認してみると、着信が数件。LINEに「今日は来ないのか?」と佐山から、「風邪でも引いてるの?」と樫原からメッセージも入っていた。
「でも、朝は荷物持って出かけてたでしょ?」
それでも、みのりはバッタリ出会った時のことが気にかかっているようだ。
「あれは、芳野に帰ろうと思って……、空港へ行くところだったんです。」
「えっ?!芳野に?帰らなきゃいけない用事があったんじゃないの?」
「……芳野に帰って、先生に会いに行こうと思ってました。」
「私に?!」
それは思いもよらなかったらしく、みのりの旅行カバンを持って寄り添うように歩く遼太郎を、みのりは目を丸くして見上げた。
「ホントは、卒業してきちんと独り立ちしてから会いに行こうって決めてたんですけど、『プロポーズされた』って聞いて、待ってられないって思って……。」
遼太郎の真意を知り、みのりは立ち止まって遼太郎を見つめ直した。