Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
日陰に入り風が吹くと、とても爽やかな初秋の空気を感じられる中で、二人はゆっくりと幾分遅いランチを味わった。
食べながらの会話で、みのりは遼太郎のことをなんでも知りたがった。大学での勉学のこと、佐山や樫原のこと、コーチをしているラグビースクールのこと。みのりがとても上手に聞き出してくれるので、遼太郎は自然と口数が多くなる。みのりも、まるで会えなかった時間を埋めるように、じっと遼太郎の話に耳を傾けた。
「先生は?変わったことはないんですか?」
逆に、遼太郎の方もみのりに尋ねてみる。するとみのりは、その微笑みは崩さずに、首を横に振った。
「遼ちゃんも知ってるでしょう?私の毎日。三年前と変わらないことを、繰り返してるだけよ。」
それを聞いて遼太郎は、自分がまだ生徒だった時の日常を思い出した。
朝早くから放課後遅くまで、いつもみのりは生徒たちのために時間を費やしてくれていた。あの渡り廊下で個別指導をしてくれていた時のみのりの姿が、遼太郎の目に浮かび、今目の前にいるみのりと重なった。
「でも、あのころの先生は、こんなに髪が長くなかったです。」
時折吹き渡る風になびく、みのりの長い髪を見ながら、会えなかった年月の長さを思い知る。
遼太郎の指摘を受けて、みのりはほんのりと顔を赤らめさせた。