Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
遼太郎は、この時初めて、想いと行為が一体化したような気がしていた。自分の中にあるみのりへの激しく深い想いのままに、やっと体が動いてくれているようで、遼太郎は我を忘れて唇を重ねた。
薄暗い空気を突き破る稲光、空を渡り雷鳴が轟く。いつものみのりなら身をすくませるのに、今日は少しも怖くなかった。
遼太郎の腕の中にいて、情熱的なキスを受けながら、みのりはその身を取り巻く恐怖も、自分の中にある過去のキスの記憶も…、すべてを忘れていた。
雨音の中に異質な水音が混じり、人が近づいてきたことに気付いて、二人は同時に、弾かれるように唇を離した。
言葉はなく、お互いの表情の中の、濡れて赤らんだ唇を見つめ合った。
二人がぎこちなく抱擁を解いた時、休憩所の中に、中学生と思われる女の子の集団が駆け込んできた。
女の子たちは、みのりと遼太郎の存在に気づいているのか、視線を向けることも気にすることもなく、ぐっしょりと濡れてしまったお互いの姿を、キャーキャー言いながら笑い合っている。
薄暗い休憩所は、途端に明るい雰囲気に包まれた。
みのりが頬に残る涙を指先で拭い、女の子たちにチラリとほのかな笑顔を向けた。遼太郎は、唇に残る余韻を確かめるように唇を噛んで、みのりに応えるように口角を上げる。