Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
プラスチックのテーブルと椅子に陣取った女の子たちの他愛もないおしゃべりを聞きながら、みのりと遼太郎はただ黙って、雨が落ちるのを眺めていた。
それから10分ほどが経った頃、数本のビニール傘を持った遊園地の係員が訪れた。ビニール傘はもちろん有料だったが、雨で立ち往生している人のために、係員は園内を回っているらしかった。
遼太郎はその傘を1本だけ買い求め、先ほどより小降りになってきている雨の中へ、みのりの肩を抱いて踏み出した。
二人の間に何も言葉はないのに、まるでその意思を読み取っているかのように、みのりは何の抵抗もなく遼太郎と行動を共にする。
そのあまりにもスムーズな一連の動きに、女の子たちは呆気にとられて、一瞬にぎやかなおしゃべりを止めた。
みのりにとって遼太郎は、もちろん〝愛しい人〟であったが、それと同じくらい〝大事な生徒〟でもあった。優しくて頼もしい遼太郎を恋い慕いつつも、いつも教師として遼太郎を守り、導いてあげなければ…と思っていた。
けれども、今日の遼太郎は、みのりにとって〝生徒〟ではなく、何者にも代えがたく愛する…〝一人の男性〟となった。
そして、その遼太郎に、今まで心の奥底にしまいこんでいたその想いを、何も隠すことなく吐露してしまった。