Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
みのりに指摘されて、遼太郎はこれまでの陽菜の言動を思い返した。みのりの言う通り、陽菜は周囲の人に対してまるで〝彼女気取り〟だった。自分もつい昨日までは〝宿題〟のために、陽菜が側にいてもいいとさえ思っていた。
「それに……、後ろめたい気持ちを抱えながら……とか、誰かを裏切るようなことは、もうしたくないの。」
みのりがそう語るのを聞きながら、遼太郎はみのりの過去のことを思い出した。みのりが前に付き合っていた男と別れたのも、不倫をして相手の奥さんや子どもを裏切り続けることに耐えられなくなったからだ。
「……もちろん、どんな事情や障害があっても、遼ちゃんのことは好きよ。それだけは、なにがあっても変わらない。だけど、他人を裏切ったり傷つけたり、そうならないように、努力はしなければならないものだと思うの。」
聞き入るばかりで、何も答えない遼太郎へ、みのりは諭すように言葉を重ねて語りかけた。
遼太郎も黙って話を聞きながら、考えて思い至る。やはり、みのりと再会して状況が変化してしまったことを、陽菜に一度きちんと話をしておくべきのようだ。
「……分かりました。学校が始まったら、先生とのこと、長谷川に話をします。」
遼太郎がみのりの目をきちんと捉えて答えると、みのりは安心したようにかすかに笑みを浮かべて頷いた。