Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
とっさに遼太郎が駆け寄り、ふらつくみのりの体を支える。それでも、みのりは陽菜から視線を逸らさず、彼女の目を強く射抜いた。
「遼ちゃんの命を奪うために、きっと前から計画していたんでしょう?あなたがその計画を決行した今日、私がここにいたのは、運命だったんだと思う。遼ちゃんを守るために、私はここに導かれたの。」
陽菜は、みのりの計り知れない強さを持った眼差しから逃れようとしたけれども、どうしてもそこから目を逸らせなかった。冷静の中で燃えているみのりの怒りを真正面から受け止めざるを得なくなって、陽菜は言葉を返すどころか息もできなくなった。
「そして、今日私が死ななかったのは、生かされたからよ。あなたがまた遼ちゃんを狙っても守れるように。あなたが何度遼ちゃんに近づいても、私が生きてる限り、私は何度でも遼ちゃんの盾になるから。」
遼太郎に支えられなければ維持できない弱々しいみのりの体。その体から響いてくる力強い言葉を間近で聞いて、遼太郎は鳥肌が立った。
こんなにか弱いのに自分を守ってくれようとしているみのりが、いじらしくて愛おしくて、遼太郎はみのりの肩を抱きながらそんな自分の中の感情を噛みしめた。
遼太郎も顔を上げて、傍らに立つ陽菜を見上げる。その目は先ほどのように、憎しみに満ちて冷たいものではなかった。