Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



「……だいたい?」


 と言いながら、みのりの柔らかいそれの感触を思い出そうと、遼太郎は無意識にあたかもそれがそこにあるような手つきをしてみせる。
 すると、佐山と由加里の視線は、遼太郎の両手の動きに釘付けになった。


「…………。」

「……あ!いや、その。」


 遼太郎は焦って赤くなりながら、とっさに両手を背中の後ろに隠す。そして、苦心しながら、言葉を絞り出した。


「君より、少し細身の人なんだけど、胸は君よりひと回りくらい大きいかな……?」


 その説明に、由加里は顔をもっと険しくさせる。


「……。今、地味に、お前は寸胴で魅力がない……って、言われたような気がするんですけど。」

「いや……!別にそんなつもりじゃ!!」


 遼太郎はますます焦って、激しく首を横に振った。ここで、由加里に拗ねられて帰られてしまうと、本当に途方に暮れてしまう。
 すると、それを見かねた佐山が、由加里の肩をポンポンとたたいた。


「『お前は寸胴で魅力がない』……それは、真実なんだからしょうがない。現実を素直に受け入れるためには、他人からはっきり言ってもらえることも必要じゃないか。」


 佐山のフォローは全然慰めにもならず、由加里はますます不穏な顔つきになる。遼太郎が肝を冷やして〝ヤバいな〟と思った瞬間、由加里はパッと花が咲くように笑って見せた。


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